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「王様の漢方(Great Wall,Great Medicine)」は牛波による、2002年に発行された自身の同名小説を原作にした、日中合作映画です。
 
牛波は1985年に反体制美術展の「移動展」を主催し、そこで天安門広場の毛沢東の肖像画を自分の顔と摩り替えたコラージュ作品を発表して問題になったアーティスト。
 
事件以来、彼は日本やニューヨークで活動していて、「大空絵画」や「無重力アトリエ」といった作品を手がけたことで有名です。
 
 
そんな彼が監督を務めたこの物語は、倒産寸前の会社を立て直すため奮起する会社経営者の市川(渡辺篤史)が、李仁(チュウ・シュイ)という漢方医と出会うところから始まります。
 
長年抱えていた持病を治してくれた李仁の技術に感動した市川は、漢方に商機を感じ取り、療養ツアーを企画しました。
 
病的なダイエット志向の和田貴美子(天川紗織)、性同一性障害の菊池五郎(中村正志)、ヤクザでインポテンツに悩んでいる中村英雄(中山一朗)たちを連れ、市川は李仁とその家族や弟子を訪ね、漢方の真髄を知ります。
 
 

世界で初めて漢方をテーマに作られた「薬膳映画」である本作は、中国五千年の叡智の結晶とも言えるでしょう。
 
薀蓄を語るだけでなく、音楽や映像といった表現で漢方の効能や精神を感じさせてくれます。癒しの詰まった、笑って、泣ける名作です。
 
 

この作品には現在シーズン7が放送中の「ウォーキング・デッド」のダリル・ディクソン役や、PS4専用ソフト「Death Stranding」で主演を務めることが決まったことで話題の、ノーマン・リーダスも出演しています。
 

ノーマンが演じているのは、中国の漢方医の元へ弟子入りしている留学生、ノーマン・ミンガス。
 
ノーマン、息子の名前で出演している,,,,というより、ジャズ・ミュージシャンのCharles Mingusを意識してつけたのでしょうか?
 
適当とも言えますし、なんともノーマンらしいネーミングですね。

【ご参考】私もノーマン出演映画を観ているHuluに関する記事

 
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舞台は日本から治療ツアーでやってきた中国。ノーマンが日本の千葉に住んでいたことから、この役をすることにしたのでしょうか?
 
ノーマンファンにはたまらないシーンも見られます。
 
エール大学の博士課程で、不妊治療の研究をしています。李仁やその家族と共に自分たちの下に訪れた観光客の世話をする役どころで、台詞こそ少ないものの、最近の出演作では中々見られないであろうシーンが沢山描かれています。
 
よそ者であるノーマンは川辺でテント暮らしをしており、ヤギの餌やりをしたりと、自然を満喫しています。
 
ツアー客とバトミントンをする様子なんかは、ダリルを通じてノーマンを知った人には想像も難しいかも知れません。
 
更に、おにぎりをかじったり、釜戸に息を吹き込んで火を起こしたり、スニーカーにチャイナ服という出で立ちで、太極拳にも挑戦しています。
 
そして、カタコトの日本語で市川らツアー客と交流を図る姿も。東洋文化の中で暮らすノーマンが見られるという意味でもファンにとっては貴重な作品になりますね。
 
写真家のピーター・タンゲンの「仕事もできるし、他の俳優と違って愛想もいい」というコメントや、「処刑人」のDVD特典映像で見られる撮影時の様子からも解かるように、人柄の良さに定評のあるノーマン。
 
今作の撮影時にも、彼の人柄の良さがうかがえるエピソードがあります。
 
主演を務めた渡辺篤史は雑誌のインタビューで、撮影のために単身中国入りしたとき、夜も遅く雨も降っていたというのに、彼は誰よりも先に自分を迎えてくれて、”Hi, Welcome!”と陽気に声をかけてくれたとのことです。
 

【参考】ノーマン・リーダス出演映画index